高2冬・公園のベンチ
おれは恋が向いてないのかな
わたしの恋する恋人はいいました
酔っているのかな
そんなことばがほこりのように確かにわたしのそこにはありました
廊下に落ちてる細い髪の毛くらい気にならない
気にならないので
涙しました
いかないで、と
とてもとても悲しかったのも本当です
恋人は驚いた
泣いてるの?
ごめん、そんなつもりじゃなかったよ
うん、そんなこと言われて、びっくりしたの
ごめんね
恋人、少し嬉しそうだな
と思ったのも、細い髪の毛くらい気にならないことです
一歩手前 ね?
水族館の券売所
空港
旅行の前の日
メニュー
待ち合わせ場所
前戯
プレゼントの箱
新しい日記帳
など
ホームの下の住人
電車とホームの間に子供が落ちるのを
いまかいまかと待って
子供らを連れさるおじさんと
救うのを待ち構えてるおじさん
反芻
わたしの席は廊下側から二列目で
後ろから二番目ね
あのとき何をしていたっけ
彼は教室の前の方からわたしの方へ
ずんずん歩いてきて出席簿を渡した
どうして一直線にわたしを見るの
どうしてわたしに出席簿をわたすの
とってもキュルキュルしたのでした
ドラキュラ
肩を並べてしきつめられた
まるはだかのおんなのこ
全身で光を負って
息を止める
浮浪者が木かげをつくる
あ、動かないで、ううん、動いて
まっぴるまの新宿東口路面